第三の嘘、読了。

悪童日記読了後は、これほどスパッと終わられてしまう話があるのかと、一驚を喫しました。
二人の証拠読了後は、幾重にも折り重なる疑惑を残されたまま姿を消されたような、いたたまれない感じ…次作に手を出さざるを得ない状況にたじろぎました。
そして、第三の嘘、読了。


これほどまで大規模な嘘に、一体何人が騙されただろう。
悪童日記」は、言ってしまえばまるまる嘘の物語だったんですね。
起こったことが事実だったとしても、語り手が、完全に「嘘」なわけですから。
ただ正直、1度読んだだけで全てに合点がいくほど物語を覚えておけてはいないので、結局リュカが生まれてから死ぬまで、特に青年時代の本当の生活は一体どれであったのかが朧気です。
でも、一番のショックはやはり、リュカとクラウスが共に過ごした年月は、本当は5年にも満たない短すぎるものであったことです。


MOTHER3でおいていかれたのはリュカですが、この物語ではクラウスがおいていかれたんですね。
第三の嘘の最後も、どうして感情を交えないで淡々と事実のみを書けるのか、本当にスパッと終了しました。
名作であった、と思います。